結婚して、妊娠して、さあ子供が生まれるとなったとき、信じられないくらい幸せを感じました。
いとしいわが子と一緒に、家族と一緒に、新しい毎日がやってくる!!
おなかに宿ったその日から、もう赤ちゃんは、人類創世の壮大な旅を、始めていると知ったとき、なんて命ってすごいのだろうと思いました。
なんてありがたい、なんて素晴らしいこと、真心尽くして育てなければ、と思いました。
胎教にいいと聞いたことは、一生懸命まじめに、実践したと思います。
そして何よりも楽しかったのは、幼児教育というものに、携わることができるということ。
英才教育、なんていうとたいそうな響きですが、赤ちゃんのころから馴染んでいれば、たいていのことは苦労せず身につけられるのがヒトというもの。
大人になってからピアノに転向して、さんざん苦労したことでもあるので、同じような苦痛を味あわせたくはないなーと、読み書き算盤だけでなく、なんでも子供が小さいうちから、抵抗なく環境の中にいろんな要素を整えていてあげたいなと思いました。
ピアノもそのうちのひとつだったのですが、自分自身が、わが子も含めて子供たちに音楽を教えるときに、しっかりした理論と実績のある教授法がないかな、と探しました。
自分はYAMAHA育ちなのですが、今一歩、YAMAHAでピアノを教えるのは難しかったです。教本がどうのとかではなく、自分が育てていただいた流派ではあるのですが、自分が子供を教えるときには、なぜか、YAMAHAで教えていこうという気にはなれませんでした。
そんななか、雑誌ムジカノーヴァで、スズキメソードの「才能教育研究会」のピアノ研究グループが、入会募集をしていたのです。
「これだっ!」
ビビッと来た、と言っていいと思います。
入会して、鈴木先生の「愛に生きる」を読んだ時の感動は、忘れられません。
「どの子も育つ。育て方一つ。」
「人は環境の子なり」
先生の言葉が、どれもこれもきら星のごとく輝いていて、雲間から見える太陽の光のように、さーっと、目の前に、降ってきたようでした。
あれからもう18年以上がたち子供たちも、もう大きくなってしまいました。
今、3人のわが子たちは、結局ピアノはつま弾く程度で、教本をまじめに卒業するところまでは、導けておりません。
でも、それぞれがそれぞれの道を、懸命に、進んでくれています。ありがたいことです。
おかげさまで、上の子は、生涯音楽を楽しみとしてくれる生き方を、選んでくれました。中の子は、創造芸術関係へ、進んでいます。下の子は、ときどき思い出して、ピアノを弾いているようです。
3人とも、セオリーに従って教本を卒業してはくれませんでしたが、スズキメソードでたくさんのことを、目には見えないけれど、体験させてあげられたんではないかと、思っています。
一緒に歌を歌い、絵本を読み、俳句を暗誦し、かるたで遊ぶ。
楽しかったたくさんの子育ての思い出とともに、これからも、スズキメソードとともに生きていくつもりでおります。
まっすぐに、わが子と向き合って、親子で、人生を創っていく。
子供時代に親が真剣に自分と向き合って育てていくこと。スズキがもたらす最大の恵みは、そこにこそあると思います。
お稽古がストレスになったりしても、大人になったら、すべてが素晴らしい思い出です。
そして、あきらめないで続けたことそのものが、お子さんや親御さん自身にとっても、計り知れない大きな恵みをもたらします。
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